突然!マッチョマン
|
ジャンル
|
ACT
|
|
ハード
|
FC
|
|
メーカー
|
VIC東海
|
|
知名度
|
★★★★★ :5
|
|
幻の逸品
|
|
ゲーム性
|
★★★☆☆ :3
|
|
すぐ飽きるけど面白い
|
|
インパクト
|
★★★★★ :5
|
|
名は体を表す
|
まさしお兄ちゃん
それは・・そう、小学校3年生の時でした。
私は、父の仕事の事情で、とある田舎の学校へと転校することになりました。私は、生まれて初めての転校と言うこともあって、友人が出来るのかどうか、不安でいっぱいになっていました。
そんな折りに出会ったのがこのソフトです。
そのころは、FCのソフト一本でも貴重な遊び道具。
こんなソフトでも、とてもうれしかった事を覚えています。
しかしこのソフトは、どうした訳か、あまり遊ばないうちにいずこかへとロストしてしまいました。
私はその当時、あまりの悲しさに、向かいに住んでいた2コ上の「まさしお兄ちゃんに貸した。」と、かたくなに主張しました。
その話は、お向かいと我が家の親族間での戦争にまで発展し、その事件からまさしお兄ちゃんと話をすることはなくなりました。
ただ、まさしお兄ちゃんが、向かいの2階の部屋からエアガンで私の尻を撃ってきたときの痛みは今も忘れられません。
今思えば、間違いなく私の思い違いだったなあ。
・・・と、結局このゲームはその甘酸っぱい記憶とともに私の手を離れていたのですが、つい最近、ふとしたことでソフトを入手できてしまったのが私の運の尽き。
かなり美化された記憶の中のこのゲーム、本当は一体どんなゲームだったのでしょうか?
ロックマン+スペランカー
貴方は『ロックマン』シリーズを知っていますか?
・・・そう、『高難易度』で有名なあのゲームですね。
貴方は、『スペランカー』を知っていますか?
・・・そう、『主人公が虚弱体質』のあのゲームですね。

|
▲ ロックマンシリーズ ▲
『難易度が高い』とは言っても、不条理な高さではない。
音楽、ゲーム性、操作性、どれをとっても一級品のシリーズ。 |
▲ スペランカー ▲
クソゲー論議をするとき、度々議題とされる事で有名。
主人公が貧弱で、とにかく頻繁に死ぬゲーム。
| |
今回のレビュー対象である『突然!マッチョマン』(以後『突マ』と表記)は、これら
2つのゲームの要素が、理想的かつ絶妙に不幸合体した横スクロールアクションゲームです。
 |
| ▲さあ、ひたすら右へ進め!▲ |
このゲームは、群がる敵どもをジャンプとショット、そして『マッチョ化』を駆使してひたすら右方向に進み、全12ステージをクリアすることが目的です。
ここで特筆すべきは、その異常とも思われるほどの難度の高さ。
考え抜かれた嫌らしい配置(配置を覚えていなければ即死級)の敵や地形に加え、コンティニューが存在せず、死ぬとタイトル直行の漢らしさなどが相まって、史上希に見る「やってられるか」的雰囲気を醸し出すことに大成功しています。
このゲームを作ったスタッフ達は氷の心を持っているに違いありません。
当然、主人公は一発死します。
地を這うコウモリや、ゾウさんの出すシャボン玉、果てには飛んできたトンボに触れただけでいとも簡単にその生命活動を停止してしまう主人公。
この貧弱さは、ある意味スペランカー以上とも言えます。
この主人公、通勤ラッシュ時の満員電車に乗ろうものなら、あっと言う間に3機くらいは死んでしまうことでしょう。社会復帰は望むべくもありません。
おそらく、大気圧に押しつぶされて死亡する日もそう遠い未来ではないに違いありません。
更に、やられたはずなのにヤケに嬉しそうに仰向けになりこちらにケツを向ける姿には殺意すら覚えます。
あの名作、「スーパーマリオブラザーズ」へのオマージュなのでしょうか?
私の崇拝する任天堂を愚弄するとは。
まったくもって腹が立ちます。
そんなお茶目なこのゲームの主人公は、赤い服を着た一種異常な動きをするナイスガイ。
メインウェポンとして、見たところ射程6m程度で威力が消失する特殊銃を扱います。
この兵器は、ヘビやカエル、果てには生首までもを一撃で消滅させることが出来る事から、軍が極秘裏に開発したライトアンプリフィケーションバイスティミュレイティドエミッションラディエイションニュートリノキャノンなのでしょう。
そのエネルギー量の大きさ故に、空気中での伝搬距離限界が短くなってしまうに違いありません。
射程が6mなのもうなずけます。いや、うなずいてくださいってば!
当然、そのような超兵器が無限に撃てるはずもなく、しっかりと弾数制限が設けられています。さすがはあの『ゴルゴ13』を世に送り出したVIC東海。抜け目ありません。弾が切れてしまうと、どこで拾ったか分からない棒っきれで闘うハメになるという、漢らしさのおまけ付きです。
ただでも超高難度を誇るこのゲームにこれ以上の制約を付けてどうするつもりなのでしょうか。
ぶっちゃけた話、この『突マ』は、スペランカー並の虚弱体質の主人公が、ロックマンのシステムで闘うようなゲームなのです。
 |
| ▲ライフ制なのがお分かり頂けるでしょう▲ |
更に特筆すべきなのは、このゲームには『突マ』のタイトルが顕すとおり、主人公が『マッチョ』へと変貌することが出来る、所謂『マッチョ化システム』が導入されている事です。
敵を倒したときに希に出現する、マッチョ化アイテム『マチョビタンC』(確かこういう名前だったはず)を取ると、ステータス(弾数)表示箇所に『GO!』サインが出ます。その状態でセレクトボタンを押すと、主人公がマッチョになると言う、斬新と言えないこともないシステムなのです。
マッチョ化すると、ライトアンプリフィケーションバイスティミュレイティドエミッションラディエイションニュートリノキャノンが発射できなくなる代わりに強力なアッパー(メガトンアッパー)が放てるようになり、更に、一発死だった主人公がライフ制となります。そのライフが切れると、元の貧弱野郎へと戻るのです。
いわば、ライフ制の無敵と言っても良いでしょう。
マッチョと化した主人公の顎のしゃくれ具合は、開発者達の愛の現れでしょうか?
さて、この「メガトンアッパー」ですが、一見、主人公の前方上方にしか攻撃判定がないように見えますが、どうしたことか足下の敵にもダメージを与えることが出来ます。
私がこの件について不思議に思い、ファーイーストリサーチ社にリサーチを依頼したところ、『キョウレツナワキガ』という、不思議な文章が送られてきたと言うことは、私と貴方の秘密です。
BIO HAZARD
生物的災害
ある製薬会社の研究者である主人公は、
人間の肉体をマッチョ化する新薬
『マチョビタンC』の開発に成功した。
彼は、それを隣の島へセールスしに
行くために飛行機を飛ばしていたが、
ちょっとしたトラブルで飛行機が故障。
カーゴから漏れ出す『マチョビタンC』を
ばらまいた末墜落した島は、
異常生物たちの蠢く無人島、 『クロワッサン島』だった…。
|
以上が、私の記憶している『突マ』のストーリーです。
これから始まる冒険がちっとも楽しみにならないあたり、VIC東海のやっつけ仕事っぷりが見え隠れしています。
さて、それではゲームを実際に始めましょう。
 |
| ▲お前、本当は強いんだろ?▲ |
タイトル画面が表示されました。
主人公とおぼしき人物が真っ逆様に墜落した飛行機のすぐ側で、几帳面に気を付けをしています。
見たところ彼はスッピンで、パラシュートなどを付けて脱出した形跡は全く見られません。
これほど豪快に飛行機が墜落しておいて、無傷で気を付けとは・・・。VIC東海の設定の適当っぷり・・・いや、大胆さにはほとほと呆れ果てます。
気を取り直してスタートボタンをポチ。ゲーム開始です。
緊張感のない軽快な音楽に合わせて主人公が登場しました。
私はとにかく右へ右へとずんずん進んでいきます。
主人公の半分サイズの敵がゴミ箱をひっくり返したように大量に出てきます。ゴルゴとは違ってしゃがみ撃ちが出来るので、倒すことは訳ありません。
が、走り撃ち自体が中段判定を持っているため、走りながらBボタンを連射するだけで敵どもはみるみる消滅していきます。爽快です。『Mr.ドリラー』並にサクサクと進みます。
と、その時、マッチョが描かれた四角いアイテムが出現しました。
「マチョビタンCだ!!」
私は喜々としてアイテムをゲットします。
しかし、主人公は貧弱なまま。変化がありません。
私は気にしないことにして右方向へずんずん進みます。
すると、不意に音楽が変わり首だけがライオンの獣人、ライオンマン(仮)が登場しました。
「ボスだ!!」
私は必死になってBボタンを連射します。しかし、ライオンマンはひるむことなく主人公の方へとにじり寄ってきます。
たたた・・ズン
たたた・・ズン!
たたた・・ズン!!
たたた・・ズン!!!
そして主人公は健闘空しく、ライオンマンに触れるやいなやその生命活動を停止しました。
| 「 | ライトアンプリフィケーションバイスティミュレイティドエミッションラディエイションニュートリノキャノン | が効かないとは!!」 |
 |
| ▲ライオンマン(仮)にやられてご満悦の主人公▲ |
物質を消滅させる程の破壊力を持った兵器でも倒すことが出来ないとは、つくづく恐ろしい耐久力を持ったライオンの人です。
しかし、感傷にうなだれている私を尻目に、ゲームは何事もなかったかのように再スタートしました。
くよくよしていても始まりません。気を取り直しての再スタートです。
幸いなことに、丁度「マチョビタン」の出現箇所で再スタートしているようです。
先程の敗因はこのアイテムの使用法が分からなかったからなのでしょう。
私は「マチョビタン」を入手してから、一通りのボタンを押してみることにしました。
やりました!!
貧弱だったあの主人公が見違えるほどに
マッチョになりました!
服が破れました!!
アゴがしゃくれました!!!
 |
| ▲マッチョマン、推参!!▲ |
その変貌っぷりは、どこかの某「before→after」並です!
私は喜々としてひたすら右方向へ進んでいきます。
ショット発射の代わりに変なアッパーしか撃てなくなりましたが、ライフ制となった今となっては、敵どもにへつらう必要もありません。
足下の敵も極限流ワキガで一掃です。
しかし、元々1撃で消滅する奴等ですので、アッパーのありがたみなどは微塵もありません。
アッパーによって変化したことを強いて言うなら、攻撃範囲が狭くなったことと、敵を倒したときのアイテムが発生しなくなったことぐらいでしょうか。
かくして、私はあっと言う間にライオンマン(仮)までたどり着きました。
「よし!今回は負けないぞ!!」
私はにじり寄ってくるライオンマンに向かってBボタンを連射しました。
今回は初めから本気連射です。
『……ズカッ、ペキィ。』
これ以上ない軽い音がして、ライオンマン(仮)が画面外へ綺麗な放物線を描いて消えていきました。
・
・
・
「2発かい!!」
「2発かい!!」
「2発かい!!」
「2発かい!!」
|
あの、ライトア(中略)リノキャノンを数十発打ち込んでも倒れなかったライオンマン(仮)をものの2発で昇天させてしまうとは。
この調子だと、アッパー(ワキガ)一撃で戦車でさえも破壊可能なのでしょう。
この威力、明らかにやりすぎです。
こんな薬をセールスに行くとは。相手は一体何処の誰だったのでしょうか。
満員電車で2回は軽く死んでしまうような男を簡単に生物兵器(タイラント)化してしまう、とんでもなく危険なこの薬。
この男は、世界大戦の火種となるようなモノを、どうして一人でホイホイ持ち運んだ挙げ句、ホイホイ地上にバラまくのでしょうか。
もしもこの男に核ミサイル発射ボタンを任せたら、ボタンの上にとまった蠅を仕留めるために、ためらいなく地球を滅亡させてしまうことでしょう。
アダムスキー型
こうして、例によってアンニュイな(copyright from nights)旅が始まりました。
殆ど代わり映えのしない背景の中、主人公はひたすら右に進んでいきます。
身の丈ほどもある巨大なライオンやカバの頭部を破壊してずんずん進みます。
生首やらスケルトンやら大蛇やらを破壊してずんずんずんずん進みます。
始祖鳥やらUFOやらキノコやらを破壊してずんずんずんずんずんずん進みます。
目に入るモノ全てを片っ端から破壊しながらずんずんずんずんずんずんずんずん進みます。
そして、とうとう最終面。6−2です。
今まで通りの調子でただひたすら右方向へ。
ずんずんずんずんずんずんずんずんずんずんずんずん進みます。
ここで、私はふとあることに気が付きました。
それは、最終ステージであるこの面の難易度が、初めのステージの1−1のそれと殆ど変わっていないという事実です。
誤解の無いように言っておきますが、6−2が簡単なのではなく1−1が難しすぎるのです。
捻れたサービス精神がここでもキラリと光ります。
そしてついに、帆船を発見しました。
無人島という設定だったはずですが、はて、一体誰がこんな立派な船を用意したのでしょうか。
私はその疑問を無理矢理胸中に押し込むと、入り口に立ちました。
 |
| ▲証言者の目撃に基づく最終ボスのスケッチ▲ |
すると、画面が変わりました。
奇妙な物体がレーザーを出しながら振り子運動をしています。
「宇宙人!!!??」
何と、このゲームの最終ボスはアダムスキー型宇宙人でした!!
伏線も何もあったモンじゃないこの展開に、私は戦慄を感じざるを得ませんでした。
「このままではやられてしまう!」
そう、何と言っても相手は宇宙人なのです!
ボヤボヤしていると、あっと言う間にキャトルミューティレーションされて、地球外の物質を埋め込まれてしまいます!!
しかも相手は宇宙人だけではありません。
何と言ってもあのVIC東海も敵なのです!!
ボヤボヤしていると、あっと言う間にもの凄い口径のハンドガンを持ったゴルゴに家ごと破壊されてしまいます!!
焦っていても始まりません。
私は深呼吸を一つし、冷静にヤツの動向を伺ってみる事にしました。
ふわふわ・・・みーーー。
ふわふわ・・・みーーー。
どうやら、ヤツの攻撃は両サイド斜め下45°へのレーザー攻撃がメインのようです。
しかし油断は出来ません。
何と言っても宇宙人なのですから、いつなんとき超兵器を使ってくるやも分かりません。
油断させておいて、一気にとどめを刺してくるつもりなのでしょう。
この勝負、先に目を離した方の負けです。
「その手には騙されないぞ!」
私は気を引き締めなおし、奴の動きの観察を続けます。
ふわふわ・・・みーーー。
ふわふわ・・・みーーー。
ふわふわ・・・みーーー。
ふわふわ・・・みーーー。
しかし、いつまで経ってもヤツの攻撃方法は両サイド斜め下45゚へのレーザー攻撃のみ。
溜め息一つ。
マッチョ化一回。
メガトンアッパー少々。
・
・
アダムスキー型は、物言わず静かに消滅しました。
・
・
スタッフロールです。
エンディングです。
本当にこのゲームはここで終わりのようです。
私は静かに目を瞑り、一言、こう呟きました。
「・・・・竜王戦行き、決定・・・・。」
隠された真実
今までの情報を総合的に判断すると、このゲームのストーリーは以下の通りとなります。
時は20XX年。
銀河系での星間戦争が激化する中、
地球も例外なくある惑星からの攻撃を受けていた。
敵の科学力は想像以上に地球を上回り、
地球は一方的な防戦を強いられていた。
そして、ついに敵は降伏勧告を行ってきた。
それは、今から2週間以内に降伏をしない場合は
人類を滅亡させるというものだった。
そんな折に、ある博士がヒトを超破壊生物兵器に変貌させる
究極のバイオウェポン『マチョビタンC』の開発に成功。
この薬の大量生産が出来れば、
あるいは敵に一泡吹かせることが出来るに違いない。
タイムリミットは2週間。
事態は急を要するため、博士はその想いを胸に秘め、
愛レシプロ機『インディペンデンス』を
ニューヨークへと飛ばしたのであった…。
しかし、その空路上には、敵の巣窟と化した
『クロワッサン島』があった。
奴等は極秘裏に地球の生物を兵器化していたのだ。
奴等は動物を巨大化させ、猛毒兵器化し、さらには
死人すらも生物兵器として改造している!
薬の存在を知った奴等の攻撃により、
クロワッサン島に墜落させられた博士だったが、
インディペンデンスの生命維持システムの
おかげで一命を取り留めることに成功。
今、最強のバイオウェポン「マチョビタンC」を巡る、
人類存亡を描けた戦いが始まった.....。
|
わざとお気楽なストーリーを取説に書いてプレイヤーを油断させるあたりは、やはり流石VIC東海と言わざるを得ません。
・・・と、言うことは次回作のストーリーは....
敵の巣窟と化したクロワッサン島の
脱出に無事成功した博士。
あとはこの残り少ない『マチョビタンC』を
ニューヨークの生産工場に運ぶだけだ。
しかし、街の中には既に奴等の魔手がのびていた!
奴等は人間に擬態して襲いかかってくるのだ!!
博士の乗り込んだタクシーの運転手が
おぞましい姿へと変貌する!
博士は一つ深呼吸をし、
バッグの中の『マチョビタンC』を口へと放り込んだ。
|
・・となるはず!
はっ!?もしやプレステ2で・・・・!!?
>> 前のページに戻る <<