東京ダンジョン

 

プレステが(いろんな意味で)大ブレイクする時期のちょっと前くらいに発売されたRPG。それがこれ、『東京ダンジョン』。

よく勘違いしてる人がいますが、宝生舞が出ていた実写アドベンチャーは『東京SHADOW』です。『東京ダンジョン』ではありません、あしからず。

 

当時のプレステでは、RPGそのものが結構珍しく、とりあえず『RPG』の名を出しておけば、どう見ても普通じゃないゲームでも、誰かしらRPGに飢えたユーザーが食らいつくという風潮がありました(例・アークザラッド)。でも誰もこれには食らいつきませんでした。

 

それでは、電プレのクロスレビューで『?』を叩き出したサイバーパンクRPGをご紹介します…俺の理性が保てるところまで。

 

 

まずは、大まかなゲーム形式を説明しましょう。ゲーム画面は終始、主人公の視点で描かれています。大きく分けるとアニメパート・ダンジョンの2つになります。基本的なストーリーは、アニメパートで(フルアニメーション・フルボイス!!)進んでいきます。選択肢も何もなく、ただボケーッと見てればいいです。

その合間合間にダンジョンが挿入され、一定のノルマをこなせば再びアニメパートへ。そしてまたダンジョン…この繰り返しです。

ダンジョン間もやはり自分視点で、歩いてると敵とエンカウントして戦闘シーンへ。この戦闘シーンもまた自分視点です。まあ、ダンジョン画面はペルソナをイメージしてくれればいいです。

 

 

さて、このゲームは『サイバーパンクRPG』らしいです。要するに近未来を舞台にした刑事モノ。B級映画で多い安直な設定とも言えます。俺はB級映画大好きなので全然問題ありません、むしろ好きですサイバーパンク。で、サイバーパンクって何よ?

 

 

ゲームを一度スタートしてしまうと、一気に最初のアニメパートが流れて、状況もよく掴めないままダンジョンに突入してしまうので、いったん説明書で設定を読みます。

 

『21世紀に入り、コンピューターテクノロジーの発展とバーチャルリアリティ技術の向上によって「サイバースペース(=仮想現実空間)」が現実のものとなる。そして(略)バーチャル(略)』

 

潔いほどB級ですが何か?

 

もはや一瞬で全てが飲み込める、ある意味スゲェ優れた説明書。しかし、最後に書いてある一文に俺は疑問を抱いたのです。

 

『これらの設定は空想でもSFでもない』

 

『ゲームデザイナー、ロー・R・アダムスV世が現実として有り得る未来を予測、創造したものである。』

 

それをSFと言うのでは?

 

ちなみに、この『ロー・R・アダムスV世』という人は、ウルティマ4やウィザードリィ4のゲームデザイナーでもあったらしいです。俺はやったことないんで、何とも言えませんが…

 

 

 

主人公は新宿署の刑事、ケビン山崎。もうツッコむのはやめます、サイバーパンクですから。ケビン山崎の1人や2人、近未来の新宿では珍しくもなんともありません(仮)。

殺人事件を担当することになり、その捜査を警部に命じられるところからゲームは始まります。

「まずは被害者のところへ聞き込みに行ってくれ!」

警部は何を言ってるんでしょうか。

俺の耳には「死んでくれ」と同義に聞こえたのですが。

殺人事件の被害者のところへ聞き込みだぁ?それってどこに行けばいいのさ?

 

…と、思ったら、なんか被害者生きてました。殺人事件なのに。最初はハッキリと『殺人事件』と言ってたのに、いつの間にか『殺人未遂事件』にすり替わってます。ケツの穴の小せえ野郎共だ(サイバーパンク口調)。

しかし被害者は生きているとはいえ死にかけてるので話など聞ける状態ではなく。唯一の肉親である妹の亜矢子(実はヒロイン)に事情聴取することに。

「私の知ってるお兄ちゃんは誰かに恨ま(略)

手がかりゼロ。…と、その時ケビンの視界が突如揺らぎ始めました。ホワイトアウトする画面。

 

 

目が覚めるとそこは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポリゴンでした。

 

しかも超ショボい。

 

 

トボトボと近づいてくるメガネ野郎。超ショボいポリゴンのせいで、キャラに顔などありません。メガネのおかげで、かろうじて「ああ、こいつはこっちを向いてるんだな」ってわかるレベル。しかも自分視点なのでちょっとキモいです。そしてメガネの第一声。

 

「やあ、目が覚めたか。それじゃあ早速アステック保険にウイルスを仕掛けてきてくれ」

 

お前頭大丈夫か?

 

そのウイルス、お前にも感染してるんじゃねぇのかって言ってやりたいところですが、サイバーパンクなので多めにみましょう。

『アステック保険って何?』『ウイルスって?』『ここはどこ?』『ってゆうかお前誰だよ』等々の疑問は持っちゃいけません、サイバーパンクですから。目の前のことをただやればいいんです。

メガネ野郎の部屋から出ると、そこがサイバースペースだと気づきます。だだっ広い空に、各ダンジョンの入り口が浮いてます。それにぶつかれば中に入れるんですが(でもこの段階では1ヶ所しか入れない)、操作感覚がなぜかフライトシミュレーターなので、移動するだけでクソ難いです。しかもポリゴンがショボいので、どれが入り口だか最初はわかりません。とりあえずそのへんをウロチョロしてればいつか入れますよ、アステック保険に(別に保険に入れるわけではない)。

 

アステック保険。そこは名前の通り、アステカ風のサイバースペース。サイバーパンクなので、サイバースペースはごく当たり前となっています。一般人がサイバースペース内をトボトボ歩き回り、仕事をしています。

業務内容は主に「ここはアステック保険だよ」と言うことです。

 

 

で、アステカ風ピラミッドの中に入っていくケビン。ここはサイバースペースなので、どっかにウイルスを置いていけばいいんでしょう。

ピラミッド内はお約束のようにダンジョン。説明書によると、セキュリティプログラムに襲われる場合があるとか。要するに敵ですね。この場合、勝手に社員でもないのにピラミッドに入ってるケビン自体がウイルスなんで。

 

現れたのはなぜかマッチョな原始人。しかも1対5。ちょっと待ってくれ。

ここに至るまで、武器屋も何もあったモンじゃないんで、負けたらそこまでです。回復もできません。

しかしこのセキュリティプログラムたち、同時にはかかってきません。最初の1人を倒したら次の1人が出てきて、それを5回勝ち抜けば戦闘終了なんです。変なところでフェアな敵たち。なぜザコ戦が勝ち抜き戦なのか。まぁいいや、サイバーパンクだし。

 

狂ってるのはその戦闘システムです。『アタック』を選択すると、画面下にメーターが現れます。で、そのメーターが頂点に来た時にボタンを押せば、クリティカルが出ます。テニスゲーム等のサーブみたいなモンですか。ただし、攻撃力が上がると命中率が下がります。ハイリスクハイリターンかと思いきや、心なしかリスクの方がデカい気がします。

 

命からがら5人を倒したケビン。しばらく歩いていくと、奇妙な石像を見つけました。

 

『ケツアルカトルの像がある。拝みますか?』

 

『拝みますか?』って問われるゲームは初めてです。

もちろん拝みます。

 

『呪いにかかった!15のダメージ!ケビンは死んでしまった。ゲームオーバー』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイバーパンク?