サトミズム・フォーエバー

みんと(windows・サンテックジャパン)


ご無沙汰しております。第2回竜王戦に参加させていただいた鳴沢と申します。
さて、今回の竜王戦もオーディエンスとして高見の見物を決め込むつもりでおりました。
しかし、今回いいネタが見つかったのでほぼ勢いのみで参加させていただくことにしました。

そのソフトのタイトルはサンテックジャパンの美少女ゲームレーベル”kNight!”の「みんと」。
ご存知無い方の為に説明するとサンテックジャパンはその昔、プレイステーションで「里見の謎」を発売し、
クソゲーマニアの間に「プロデューサー・小澤夢生」とともにその名を知らしめたソフトメーカーです。
ちなみにサンテックジャパンがコンシューマーから撤退した為、「里見の謎」は、現在かなり入手困難な状態です。
しかし、サンテックジャパンはコンシューマーからPC向けに転向し、現在もゲームを製作しています。
そしてこの「みんと」は「里見の謎」と同じ流れを汲むいわば「サトミズムの後継者」と言える作品なのです。
(注:”里見+〜ism=サトミズム、便宜上「サンテックらしさ」をこう呼称させて頂きます)
ただし、18禁なので、18歳未満の方やそっち方面に抵抗のある方にはオススメできませんが、
そうでない方は間違いなく「買い」かと思われます。
さて、このレビューではいかにこの「みんと」がサンテックらしい逸品であるかをお伝えできればと思います。


サトミズム・1「サトミズムはまず佇まいから」


さて、「里見の謎」と言えばまずパッケージ。
「叩き潰したツラのジャケ絵」「オススメシール」などはあまりにも有名です。
「みんと」のパッケージの絵柄は「ヒロインの一人が青空の下、草原で手を振りつつ笑顔でジャンプ」という
図案としてはありがちなものです。
そして、隅の方に描かれたカエルがなにげに脱力感を誘います。
しかし、これはまだほんの序の口。このパッケージ、実は裏面がもの凄いことになってます。
まず裏面で目に付くのは煽り文句でしょう。

”〜愉快快感ストーリー〜(「みんと」の世界)
 ふとした事から3人の裸の妖精と同棲することになってしまった主人公、
 彼女達は自分達が女性だということすら分かってないらしい。
 ちょっとエッチで奇想天外な主人公の生活が始まる。
 気取らず笑えるエッチなADVゲーム。
 彼女達をどうするか選択肢を決めるのは君だ!
 これで簡単痛快制覇だ! ”

えーと、「愉快快感ストーリー」とか「簡単痛快制覇」ってなんですか?
よくは分かりませんが流石はユメオ先生。
「里見の謎」の煽り文句、「ヒーローはこの世の終わりにやってくる…」に見劣りしてません。
俺、この時点でものすごく愉快なんですけど。もう笑いが止まりませんね。


そしてもうひとつ、目を引くのが「E.N.S.搭載!」の一文。
里見の謎でもやたら妙な「新機能」が搭載されてましたが、これもそういった類のもののようです。
この「E.N.S.」とは「エンディング・ナビゲーション・システム」の略で分岐を目に見えるように視覚化する機能だそうです。
…こういう機能はよそじゃ普通に付いてますが。
まあ、「新機能」とは謳ってませんが、そんなに売りにするような機能でもないと思います。

ちなみにパッケージ裏の画面写真を見てみると、
パッケージ表の子があられもない格好で吊り下げられてるのが印象的でした。


次にパッケージを開けてみましょう。
内容物はCD-ROM2枚、マニュアル、オマケのカードの三種類。
まずマニュアルからご紹介しようと思います。

マニュアルを開くとハラリと落ちる一枚の小さな紙切れ。
それは正誤表でした。

”訂正・マニュアルの3ページ内の以下の部分を訂正。
 誤:「ゲームインストール時の起動メニューにあるDirectXのインストールに従ってインストール作業を行ってください」
 正:「DirectXはマイクロソフト社等から入手してDirectXのインストール作業を行ってください」”


……全然話が違います。何やってんスか?
のっけからコレだなんてやっぱりステキ過ぎます。これぞサトミズム。
さて、マニュアルの具体的内容としては、

「必ずお読みください」
「あらすじ」
「ゲームの始め方」
「ゲームの説明」
「キャラ紹介」
「ユーザーサポートの案内」
「スタッフクレジット」

が記載されています。

「必ずお読みください」「ゲームの始め方」「ゲームの説明」については日本語がなんとなくオカシイくらいです。
……ただ、「ゲームの始め方」内の「ゲーム終了方法」にある、
「念のため終了後はコンピューターをリセットしてください」の一文に
ものすごく不安を感じてしまうのは何故でしょう?

あらすじに関しては後のストーリー内容と被るのでそちらに譲ります。

そして、「キャラ紹介」。ここでは登場する女の子達が紹介されています。
女の子は3人の妖精+主人公の元カノの合計4人。
まずは妖精さんチームから。

☆シャム(シャム=イルミネイト)
  趣味・草木の世話
  職業・妖精
  性格・容姿端麗、冷静沈着
  特徴・非常に落ち着いていて妹思い。
      エアとは姉妹同士だが血が繋がっていない。
      頭が良い。また内向的で感情を余り表に見せない。


……えーと、ユメオさん、ひとつお聞きしたいのですが。「妖精」って職業なんですか?
あと、「エアとは姉妹同士だが血が繋がっていない」って、
キャラ紹介でネタバレはまずいと思います。

☆エア(エア=イルミネイト/エア=リー)
  趣味・木登り
  性格・明朗活発、好奇心旺盛
  特徴・ちょとドジでおっちょこちょい。で一直線な性格。
      頭はちょっとヌケてるところがあるけど、
      動物のような行動がかわいい。


ちなみにこの文はマニュアル原文ママです。
「ちょと」という誤字にサトミズムを感じます。
ところで「動物のような行動がかわいい」って、かわいいんですか、ソレ?
そもそも「動物のような行動」ってどんな行動なんでしょう。謎です。

☆マリス(マリス=クール)
  趣味・水遊び
  職業・妖精
  性格・男勝り、熱血漢
  特徴・とにかく、まがった事が嫌いで、男勝り。
      本人は女とも男とも深く意識していない。
      体を動かすことが特に好き。


紹介文は至って普通のようです。しかし添えてある画面写真がを見ると、
「パンティを広げながら舌を出しつつウインク」という構図でした。
……なんだかなぁ。

最後に主人公の元カノです。

☆優衣(実香紗 優衣)
  3サイズ・82.55.83
  身長・159cm
  職業・学生
  特徴・
普通の女の子っぽいかんじ。

……なんだかすごく投げやりな紹介文です。
紹介が「普通の女の子っぽいかんじ」のみ。ある意味すがすがしいです。

……もう、なんというか、マニュアルだけでおなかいっぱいです。


そしてオマケカード。
公式ホームページによると、このカードは「業界初!?超能力育成五択カード」だそうです。
カード自体はA5版くらいのカードの5枚セット。
表がキャラクターのイラストで裏がパッケージと同じ構図のイラストになっています。
マニュアルの方にこのカードの遊び方が書いてありました。

”5択カードの遊び方・5枚のカードを伏せて並べその内当たりのカードを当てるゲーム。
 カードには裏側に微妙な違いがあり良く見ると分かるようになる。
 右下あたりを良く見ると模様に大きさの違いがあります。それを覚えてください。”


……遊び方を見る限り、超能力関係ありません。それでいいのか。

さて、パッケージがこれですから肝心のゲーム内容はもっととんでもない事になってます。
次はいよいよその内容について紹介させていただこうと思います。

サトミズム・2「これが”愉快快感ストーリー”なのですね(棒読み)」

さて、パッケージとマニュアルでおなか一杯になったところで、インストール、そして起動。
するとディスプレイに他じゃ見られないようなチェック画面が表示されています。
しかもやたらチェックに時間掛かってます。それ、本当に必要ですか?
で、チェック終了後、ようやく起動です。
やたら濃い感じのメーカーロゴが出た後、OPデモ(主題歌入り)スタートです。
ちなみに残念ながら主題歌を歌っているのは「里見の謎」でおなじみの島ひろこではない模様。
さすがにエロゲーじゃ使えなかったんでしょうねぇ。
そしてスタッフロールの最後に「プロデューサー・小澤夢生」の文字が。
プレイ直前、いろんな意味で期待は高まります。

で、メインメニュー画面なんですが、「オプション」が凄いことになってます。
「オプション」の項目は「サウンドアジャスト」「カラーアジャスト」「ヒント」の3項目。
「サウンドアジャスト」「カラーアジャスト」は調整の為にサンプルの音や画像を出す項目です。
……この機能、あんまりゲーム自体には必要ない気もしなくないんですが。
必要なら各自で調節するだろうし。
っていうか「カラーアジャスト」にモノクロのサンプルしかないのもどうかと思います。
そして「ヒント」。ここにはゲームを快適にプレイするためのヒントが書かれています。
…攻略のためのヒントじゃないのですね。やっぱりどっかズレてます。

さて、いい加減ゲームを始めることにしましょう。
そもそもメニュー画面からこんなにツッコミがいがあるってのも凄いですけど。

で、名前を入力してスタート。システム自体はオーソドックスなテキストAVGのようです。
もしかすると「斬新なシステム」は「里見の謎」で懲りたのかもしれません。

そして画面を見ると、なにやら画面上に球状のアイコンが並んでいます。
どうやらコレが「E.N.S.」の正体のようです。
なんだかコレ、非常にウザいです。しかもコレ、どうやら消せないみたいです。
よそはちゃんと”表示/非表示”選べたりするもんですけどね。
さすが古代技術のサンテックジャパンと言われるだけの事はあります。
…つーかこんな事すらできませんか?

さて肝心のストーリーなんですが、まず3人の裸の女の子が空から降ってくる場面から始まります。
で、主人公が寝てる(と言うより気を失っている)間に(ピー)されてしまいます。

……なんというか、のっけから飛ばしすぎです。
並の神経なら下手するとここで脱落してしまいそうな勢い。
このプレイヤーの大半を置き去りのストーリー展開、これぞユメオ節と言っていいでしょう。

で、主人公が意識を取り戻したあと、3人に話を聞くと「この3人の名前はシャム、マリス、エア。
3人は妖精で、遊んでるうちに何かのはずみでこっち側の世界に来てしまった」
という事らしいです。
もう、なんていうか訳分かりません。
で、なんだかんだで行き場のない3人は主人公の家に住み付く事になりました。
「これからしばらくの間、私達の力になってくれませんか?」という所で最初の選択肢が登場。
そこで、つい、疲れのせいか、一番ヤバそうな選択肢「家に済むのはかまわないけど、力にはなりたくないね」
(ちなみに誤植は原文ママです)を選んでしまいました。
するとENSの表示が一つを残してすべて消灯、バッドエンド一直線ルートに入ってしまったようです。
そして3人は怒って家を飛び出してしまいました。
そしてエンディング。

”3人はすぐに家を出ていった。
 それから数年後、俺はテレビで衝撃映像を見た!
 タイトルは「CIAは妖精を発見していた!」というものだ。
 その映像には裸でベッドに横たわっているあの3人が映っていた…。

 そして丁度そのすぐ後、突然家に飛び込んできた数人の男に
 俺は連れ去られたのだった…。

 そして今、俺はドアも窓も無い部屋にいる…。”


……ハァ…アタマ痛ぇ。

「CIAに連れ去られる」て。なんだか発想の方向性がよそとは違います。
思わず唖然としてしまいました。やっぱりサンテックは一味違いますね。

とりあえず落ち着いたところでやり直し。
翌日、「外に出かけたい」と言う3人。そして服を買いに行く為にデパートへ。
そこには、
”今週のビックリドッキリ/ドッペルゲンガー大量(入荷)/120%OFF(セール)”
(注・カッコ内は隠れて見えない個所です)
”TNT消火栓/注意/爆発デ火ヲ消ス”
といった表記が。

それから4人でラーメンを食べに行くことに。そしてそこのお品書きを見ると、

”ちゃしゅめん 50円/じゃんぼめん 30円/
 
らばーめん 10円/ごむめん 300円/男だし汁 一万”

一体なんなんでしょう、このメニューは。
値段のデタラメ加減もさることながら、
「らばーめん」とか「男だし汁」て。

メニューはまだ続いています。

”くさったみかん 円”

……ソレ、多分食べ物じゃないです。しかも値段書いてないし。

”おちゃ 一万円/あちゃ 一億円/めちゃ 十億円”

……なんだかまた頭が痛くなりそうです。
そう言えば里見の謎でも巻物屋に「まきしんぢ(やんなっちゃう)」とかありましたが。

さっきのデパートの背景といい、まったく誰なんでしょう、こんな背景描いてるのは。
なんだかものすごく気になってきました。そこでマニュアルのスタッフクレジットを確認してみることに。
そこまで載ってるかな、と思いつつ見てみると……ありました。

”background graphics : YUMEO OZAWA”


……いやはや、ユメオ先生、あなたの仕業だったとは。
こういう所にも自ら手を加える。これが秘訣と言うわけですか。なめんな。

その後もなし崩し的に風呂場で(ピー)してしまったり
裸エプロンで食事の支度をするシーンが出てきたり

反応に困ってしまうシーンが続きます。

そして普段はとても仲の良い姉妹、シャムとエアが突然ケンカを始めてしまいます。
なんとか説得しようとする主人公。そしてそんな状況の中、シャムが主人公の部屋を訪ねてきます。
そして2人で河原へ行って話をすることに。
主人公が何故ケンカをしたのかと尋ねると、シャムの香水をエアに貸すか貸さないかでケンカになってしまったそうです。
何故香水を貸さなかったのかと主人公が尋ねると、「香水を貸したらエアも自分と同じになってしまうと思って」、とシャム。
「私達このごろ何かの力で変わっていってるような感じがする」とシャム。
そして「いろいろと本を読んでるうちに今の私の気持ちの正体が薄々わかってきた」と。

シャム「今の私、貴方の事、きっと好きなんだと思います」

そして突然の告白。
しかしシャムは「今の気持ちが好きっていう気持ちなら気づかない方が良かったかもしれない」と言います。
何故、と主人公が尋ねると、「妖精は絶対に人を想い、結ばれてはならない」との事。

シャム「もし、妖精が本当の意味で人間と想い結ばれる事があったなら、その妖精は消えてしまうんです。」
シャム「ええ、消えてしまうんです。でもそれは妖精がこの世に一人しかいない場合の事で…」
シャム「結ばれた妖精を残して、他の妖精はすべて…ミントにされてしまうんです


……また一瞬、呆然としてしまいました。
もうユメオ先生のセンスって飛び抜けてますね。明後日の方向に。つーか、何故ミントですか?

シャム「それが妖精なんです」

……答えになってません。やっぱりすげぇ。
シャムの独白は続きますが、この一言のおかげでまったく記憶に残りません。

そしてある日、主人公の元に昔の友達から電話が。
ちなみにそいつの名前は「ヨウスケ」です。
(注・「ようすけ」といえば言わずと知れた里見の謎の主人公・夢若の親友の名前ですね)
彼の話によると、どうやらエアと思しき女の子が彼の働く怪しいお店にいる、との事。
すぐさまそのお店に向かう主人公。するとエアがあられもない格好で吊り下げられていました。
そしてエアをつれて帰る主人公。

そしてその夜、破滅を恐れた3人は、主人公の家を出る決心をします。
しばらく3人にして欲しいというので部屋で一人物思いにふける主人公。
するとマリスが部屋にやってきました。どうやらまた魔法が使えるようになったようです。
これで3人は元の世界に帰れるかもしれません。でも情が移ってきたのでしょう。
主人公は「このまま一緒に暮らせないか?」と言います。

そして雷鳴がとどろいた刹那、元カノの優衣が全裸で空から降ってきました。
実は自ら命を断ったと思われていましたが、優衣も実は妖精だったのです!

……えーと、こういう時、どんな表情をしていいのでしょう?
やはり里見の謎の「夢若の母は実は宇宙人」という辺りとどこか通じるものがありますね。

彼女の話によると、「主人公の事が本気で好きになってしまいそうだったから、
自分が消えなくても済むように、他の妖精を呼び寄せた」という事です。

……なんだか主人公がとっても不憫に思えてきました。
今まで説明は省いてましたが、この彼女、主人公と一緒に暮らしていました。
当然エッチもしてましたが、それでも彼女に愛されてなかったなんて。
つまり主人公は優衣に単にいいように利用されてただけなんですね。
同じ男として同情せずにはいられません。

さて、ここで主人公はどんな選択をするのでしょうか、優衣を選ぶのか、それとも…。

さて、ここでレビューは終りにしたいとおもいます。


サトミズム・フォーエバー「総括!総括!総括!」

さて、長々とお付き合いありがとうございました。

とりあえずまとめてみると、サンテックらしさ、ここで言う「サトミズム」とは、

「独特過ぎる味のあるパッケージング」
「独特過ぎるシステム」
「独特過ぎるストーリー運び」
「独特過ぎるキャラクター」

「その他独特過ぎるビジュアル」

これらの要素によって決定付けられていると言えます。

では、里見の謎と比べてこの「みんと」はどうでしょうか。
パッケージングに関してはマニュアル、パッケージ共に申し分ないでしょう。
システムもオーソドックスではありますが、E.N.S.やオプションがそれを補って余りある味を出しています。
ストーリー運びもプレイヤー置き去りの畳み掛けるようなユメオ節が炸裂。
またキャラクターも「裸で天井から降ってくる妖精」と他のゲームではありえないものになっていますし、
そして「独特過ぎるヴィジュアル」、これは背景などに顕著に見られます。

これらの要素を見る限り、この「みんと」は立派にサトミズムを継承しています。
もしあなたが18歳以上で、そういうシーンに抵抗が無ければお手ごろ価格で里見の謎に匹敵する旨味が味わえます。
ちなみに私は1480円で手に入れましたが、運が良ければ1000円以下で手に入れられるでしょう。
里見の謎が手に入らないとお嘆きの方は代わりにこちらを手に入れてみるのもいいかもしれません。

ちなみに次回作は「萌萌!下宿生活♪(僕の下宿はハーレム状態)」だそうです。
私はこのソフトにもサトミズムの香りを感じます。
今から楽しみですね、いろんな意味で。