第四回クソゲー竜王戦参加レビュー

メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ
機種:PS2 メーカー:コナミ
*このレビューはゲーム中のネタバレを含んでいます。

メタルギアソリッド2とは?
 本作はメタルギアシリーズの続編として作られたアクションゲームです。
 同シリーズはそのゲーム性と完成度で高い評価を受けファンも多く、本作もPS2により実現した美麗なグラフィックと過剰な作り込みが話題を呼び世界的大ヒットを遂げました。小島秀夫氏が監督をしている事でも有名。

 ストーリーは、核搭載兵器であるメタルギアの脅威を防ぐ為に、タイトルにもなっている主人公ソリッド・スネーク単独潜入して工作活動をするというものです。
 もちろん本作もスネークがずっと主役だと思ってたんですが、実際にはゲームはスネーク編と新キャラの雷電(ライデン)編に分かれていて、雷電編が8割以上です。


世界的大作がクソゲーなのか?
 メタルギアソリッド2は確かに大作です。しかし、プレイした人達の中で賛否両論があるのも事実です。それもほとんどの人が、特定の箇所から目を逸らしながら褒めるか、やたらと攻撃的に否定するかのどちらかです。
 まあ、価値観は人それぞれなので、やはり最終的には各自の判断が全てだと思います。
 え?俺はどう思ってるかって?そりゃあもう、
 一点の曇りもない笑顔でクソゲーだと断言できます。
 それも恐ろしく手間のかかったクソゲーです。プレイするたびに製作者の悪意をひしひしと感じます。


練りに練られたシステム。ただし、無理に詰め込んだ結果は……
 まず、ほとんどのプレイヤーはゲームを始める前に、覚える事の多さに戸惑うでしょう
 いきなりプレイが始まるよりも気分が出ると思う方もいると思いますが、知る必要があるのは作戦内容のブリーフィングでも、潜入工作員の心得でもありません。そんなもの知らなくてもゲーム中で随時出されるヒントだけで一切困りません。
 覚えるのは異常に複雑な主人公の操作方法です。
 スタート・セレクトボタンから、アナログスティックの押しこみに至るまで全ボタンフル活用、基本操作だけで20近く、動作中や特殊な状況だけの操作に、各種テクニックを加えたら軽く100を越えます。
 多分、ほとんどの人が一部の操作を知らないままゲームをクリアしたと思います。

 前作をクリア済みなのでスネーク編から始めたんですが、3年前のゲームなので、基本操作すら覚えてません。仕方なく、雨の中ところかまわず地面を這ったり転がったりしだす伝説の傭兵。画像がリアルな分、凄い滑稽です。
 ある程度、操作を覚えて敵兵を倒しに行くんですが、今回の敵兵からはドッグタグを奪えると聞いたので背後から銃を構えてホールドアップ。
 R1ボタンで主観視点にでき、L1を押しながら歩けば銃を構えたまま前に回り込めるのですが、この時俺はR2ボタンを押したんです。
 圧倒的有利の状況から、いきなり銃を解除して敵兵の前に飛び出すスネーク。
 操作してる俺もビックリですが、それ以上に敵もビックリです。
 その後、当然蹴り倒されて通報されます。このまま殺されれば間違いなく伝説として名を残せます。

 と、このゲーム最初は、敵の捜索ではなくこちらの奇行によって任務が失敗する事がほとんどです。
 大体、首を絞めようとして、間違って投げ飛ばす事なんて普通なら絶対にありえません。もう少し操作を洗練させて欲しいところです。


小学生の考えた超人並に説得力のないキャラ達
 このゲームに登場するキャラは、まあ普通に生活してれば100%会う事のないような人間がほとんどですが、ゲーム中でボスとして戦う事になるデッドセルという部隊は飛び抜けてます。

 まず、一人目のファットマンという男ですが簡潔に言えば、ローラースケートを履いた機敏なデブです。しかもハゲで爆弾魔。
 防弾服みたいなのを着ているので、体にダメージがないのは仕方ないとしても、ハゲ頭の脳天に銃弾を10発以上打ちこんでも死なないのは腑に落ちません。
 あと、やたらと爆弾界に名を残すとかふざけた事を言います。
 
 次にフォーチュンという女ですが、こいつはある日を境に銃弾が全く体に当らなくなったという設定です。
 後から小型の電磁波発生装置で弾丸を……とか説明が入りますが、刀で銃弾弾く奴がいる世界で、いまさら科学的考察を語っても白々しいだけです。
 しかも雷電との戦闘では、隙をつけば普通に弾が当ります。大層な設定や演出台無し。そのうえ、弾が当ろうが当るまいがこの戦闘は強制的に進むので、当てる努力すら意味無し。

 次にヴァンプという男ですが、こいつはストレートです。なんてったって不死身ですからね。
 しかも、胸に十字架が刺さったとか、数日間血を飲んで生き長らえたとか、どうでもいい過去が出るわりには、何で水の上を歩けて頭打たれても死なないのかなどの説明が全く無いです。
 もちろん雷電戦になると、なんの工夫もなく銃弾のダメージを受けます。はっきり言って、こんな中途半端な設定全く必要ありません。

 そして部隊のリーダーのソリダス・スネークですが、こいつ、他の武器の考証ぶち壊すくらい未来的なパワードスーツ着てて、実在の銃とか使って戦うのがバカらしくなります。しかも身体能力も戦闘能力も異常で、メタルギアよりもよっぽど脅威です。


 まあ、異常な量の火器を持ち歩きながら、虫のたかった携帯食を食べたり、拾った精神安定剤を飲んではふらつく主人公の二人も常人では無いですが。彼らの体内には銃弾が数十発は入ってるはずです。


どこまでも暴走していく製作者の悪ふざけ
 まずスネーク編ですが、このパートは、ロッカーのグラビアポスターに警報装置が埋め込まれていたり、壁に貼られたグラビアポスターに爆薬が仕込まれてたり危険も多いですが、スネーク編で彼が最終的にやる事は写真を撮るだけです。しかもこの後、彼を操作する機会は一切ありません。

 そしてメインである雷電編突入です。まあ、セーブするたびにやたらと喋り出す雷電の恋人のローズに殺意を抱いたりもしますが、序盤は順調に進みます。
 しかし、このゲームは後半にかけて少しずつおかしな方向へ行きはじめるのです。

 まずいろいろな意味でヤバイと思ったのが、途中エマという少女といっしょに行動する場面があるんですが、敵に打たれた薬のせいで足下ふらついてます。しかも、そのモーションが妙に痛々しいのです。
 まともに歩けない少女を引きずって歩く様は、敵兵どころかプレイしてる姿自体誰にも見つかりたくないです。しかも、この状態で敵兵に見つかると、奴らは無抵抗のエマごと撃ち殺そうとしてきます。お前らは鬼か!
 よく、本当にこれをコンシューマ機でゲーム化できたと思います。
 さらに、その後雷電が敵に囚われた後逃げ出す場面では、雷電全裸です。
 自分のモノが見えないようにモノを手で隠しながら、進まなければ行けません。

 しかも、同時期に今まで通信でサポートしてくれていた大佐がおかしくなります。いきなり「今すぐ、ゲームの電源を切れ」とか言い出します。その後も、
 「実は私はかなり金に困っているんだ。離婚した妻への慰謝料とかな……。
 この前、食事代を君に払わせてしまったのも仕方のないことだったんだよ。申し訳ない……。」

 とか、訳の分からない事を言い出します。ちなみに食事どころか、雷電と大佐は直接の面識すらありません。
 いや、これくらいのセリフはまだいいとしましょう。しかし
「巻き舌宇宙で有名な紫ミミズの剥製はハラキリ岩の上で音叉が生まばたきするといいらしいぞ。要ハサミだ。61!」
 ……なんですか、これは。こんな電波飛びまくりの文字列が入ってる時点で、スタッフの人格を疑われても仕方ないと思います。

 この後も、隠されていた黒幕や背後関係が暴露されていきますが、最終的には生身で25体のメタルギアと戦う事になります。
 もちろん完全には倒せませんが携行ミサイルで5体のメタルギアを撃退。
 しかも、その後のデモではソリダスがライフルで3体破壊。
 この後もいろいろストーリーが語られますが、結局ソリダスとの最終バトルになります。
 確かに、メタルギアより強いんだからふさわしい相手とも思えます。
 どうやら、このゲームでは核搭載兵器よりも武装した人間の方が格上のようです。

 そして、これに勝てば感動のエンディング……のはずですが、この冗長な語りのどこで感動するんでしょう? “伝える”がテーマなのはもう分かったから同じ事を何度も言うのは止めてください。


結局このゲームは……
 アクション部分の完成度や膨大な作りこみは確かに凄いです。
 しかし、エンディングまでプレイするともう、全部が手間のかかった悪ふざけとしか思えません。
 でも、自分はこのゲームをプレイして後悔してません。
 メチャクチャなゲームですが、同時に絶対忘れる事が出来ないゲームでもありますからね。


 でも、小島さんは現役引退してくれていいです。

 作中で、
「アメリカ人は己の言葉に酔うあまり、真実を語れない」
 という言葉がありましたが、それがアメリカ人に限った事じゃない事を身を持って体現してくれましたからね。