そうだ・・・おまえは・・・『人形』だ。
戦うために作られた・・・な・・・。
ロストワード オブ ジェニー 〜失われたメッセージ〜
メーカー: タカラ
発売日: 1987年3月25日
機種: ファミコン
ジャンル:格闘系アクション(えっ?)
【ワタシジェニー! よろしくネ☆】
突然ですがあなたに質問です!
あなたは『人形』という言葉を訊いて何を連想しますか?
おそらく七割の男性がふしだらな妄想をしたことでしょう。 (オイ)
古来より、人間の移し身として生まれた『人を型どりしもの』として、
人形は多くの人に扱われ、愛され、世界中の人々のニーズに答えながら発展し続けてきました。
ある時は「霊が取り憑いた」として恐怖の対象とされ、
またある時は「伝統の産物」として舞台などの貴重な小道具に用いられ、
そしてまたある時は「アニメ美少女モノ」としてワンフェスあたりに登場しオタ供の目と股間を熱くさせる。
言わば「愛の結晶」なわけです。
そして日本の人形メディアで有名なものといえば、
「リカちゃん」や「バービーちゃん」、「ジェニーちゃん」といった美少女人形です。
古くから幾多のマイナーチェンジを重ね、その度に全国の幼女・・・いや、多感なお年頃の少女の夢を育む玩具として愛されてきたわけですが、
こともあろうにタカラの奴らゲームにしやがった。
まあ、心の広いゲーマーだったら、
「タカラだからクソゲーでもしょうがないか・・・」と思いそうなものなんですが、
(例:トランスフォーマー コンボイの謎)
それにも限度があるぞコラと叫ばせてくれるのが本作です。
【ストーリーよ! ウフ☆】
一応ストーリーは、
『自分が出演するミュージカル「シンデレラ」を間近に控えたジェニーは、
悪の秘密組織に肝心の台本を奪われてしまい、それを自力で取り戻す』
・・・という内容です。
待てや。
どう見ても非戦闘員なジェニーがどうしたら台本を取り戻せますか?
我らがジェニーは最近人気が下火になってきたもんだから覚醒剤に手を出したんでしょうか?
(覚醒剤常用者の症状例:正常な判断ができなくなる)
いっそストリップショーに変更しろと言いたいんですが、
ともかくコンバット越前以上のいきあたりばったりさで台本を取り戻そうとするジェニー。
オリジナルが夢を育む玩具だけに、ジェニーさんは頭の中も夢一杯なんでしょうか?
電源を入れると、ファミコンが壊れたかのようなキンキンBGMと、
絶対ジェニーに見えないジェニーがカメラ目線(アイドルですから)でコンニチワ!
この時点で既に不良在庫が確定している感じです。
この耳に心地良くないBGMも、ひょっとしたらジェニーの毒念破なのかもしれません。
1987年という年代を差っ引いても、
このオカマにしか見えない不細工ジェニーは、
小さな子の夢を打ち砕くには充分な破壊力を秘めてます。
スタートボタンを押す気力が一瞬で消失したため、気晴らしにデモプレイを見てみることに。
ジェニー走る → 落ちる → ワンミス (この間約3秒)
デモプレイにもやる気が感じられません。
ついでに言えば、
ジェニーに対する愛も感じられません。
お膝元なら何をやってもいいのか?
【ワタシに立ち向かう嫌な敵☆】
これ以上長引かせるわけにはいきません。
意を決してスタートボタンをプッシュ。
カボチャの馬車・・・美しい白馬・・・ドレスで着飾ったジェニー・・・・・・。
ジェニーが演じるシンデレラなわけですが、多分これはジェニーの妄想でしょう。
(イヤナ女ダ)
そして劇場へ向かおうと家を出るジェニー。 その刹那・・・、
ボナンザブラザーズの小っちゃい方(分かり難い例え)にしか見えない組織の者が、
ジェニーに体当たり! 台本が奪われてしまいました。
その時ジェニーが取った行動は・・・・・・、
答え : 自力で奪い返す
まずは警察に行けよ。
えらく短絡的な思考をお持ちのジェニーさんは犯人を追いかけます。
そして画面は移動フィールドへ。
このゲームは移動画面で向かう場所を決め、様々なステージを制覇しながら最終的に敵の組織に乱入するわけですが、
その移動画面でも気が抜けません。何故なら、
ジェニーを撃ち殺そうと銃を乱射する黒ずくめのガンマン、
ジェニーを噛み殺そうとするバイオのケルベロスより遥かに可愛い犬ッコロ、
ジェニーを轢き殺そうとする暴走車が、
ジェニーの命を奪おうと襲い掛かってくるからです。
こんな夢も希望もなさそうな無法地帯に住んでいるなんてジェニーさんは何を考えてるんでしょうか?
つーか、こんな所だから台本が盗まれるのでは?
この時点ではジェニーは反撃する事もできないため、ただ逃げるだけです。
迫り来る脅威を避けながら、入った場所は・・・・・・、
『HORROR HOUSE』
どうして街のど真ん中に幽霊屋敷がありますか?
こんなアシッド感溢れる街に住んでいるなんて、
ジェニーさんは余程の強心臓・・・・・・というより、言っちゃ悪いがただのバカです。
【これがジェニー流喧嘩殺法よ☆】
台本奪った組織の者を追うはずが、幽霊屋敷に迷い込んでしまったジェニーさん。
当然服装は着の身着のまま。下が超ミニの赤のワンピースだけで、つまりは丸腰。
そんなジェニーさんが、幽霊だらけのホラーハウスで一体どうするのか!?
答え : 殴る蹴る
だから待てよ。
『えー、ニュースの時間です。人形界のアイドル、ジェニーが今日、暴行傷害の現行犯で・・・』
長いジェニーの歴史を紐解いても、問題を暴力で解決するなど訊いた事がありません。
新人時代に、
「アイドルたるもの、格闘技使えずしてなんとする」とでも言われて何処かに弟子入りしたのでしょうか?
それとも、やはり薬の副作用なのでしょうか・・・(泣)。
そんなカラテカジェニーさんは、
立ち状態からは上段ハイキックを繰り出し、しゃがみ状態からはパンチを放ちます。
ジャンプ時に攻撃ができないのは、
「空手において、飛び蹴りは邪道」という教えを受けているからでしょう。
もっとも、我流という説が濃厚ですが。
かくして、何の脈絡もなく 『デストロイヤー・ジェニー』(リング名) と化したジェニーは、
迫り来るコウモリ、鎧騎士、ドラキュラを次々に撲殺、蹴殺していきます。
また、ジェニーさんの技はこれだけにとどまりません。(とどまれよ)
ザコ系の敵を倒すと出てくる「パワー」を一定量溜める事によって、
必殺のジェニー砲を使うことが出来ます。
つまりは飛び道具です。両手から気弾を発射するわけです。
一応『光線銃』という説もありますが、
それだと銃殺になるためこの際「気の波動」とした方がいいでしょう。
普段の愛らしい姿とはうって変わって、本作のジェニーは激しく暴力的です。
戦うために作られた戦闘人形です。
原作の内容を超越した大迷作「ああ播磨灘」が浮かんでは消えていくという気分の中、
敵から鍵を奪い取り(強盗殺人)、ドアを潜って着いた所は、
『COW HEAD』を名乗る牛の骨の化け物が待つボス部屋。
ジャンプしたり火を吐いたりする強敵ではありますが、
ジェニー流喧嘩殺法を操るジェニーにとっては赤子同然です。
激しい攻撃に成す術なく敗北し、ガラガラと崩れながら土に還っていきました。
ちなみにこいつはここだけでなく、全てのステージにボスとして登場します。
見事な使いまわしっぷりです。
こうして一つのステージが終わると、
いきなり画面いっぱいに中世のサタニストのような白ずくめのマントの男が現われました。
敵の幹部か!?
「ワタシ フーマンチュン アルヨ」
日本人風中国人かよ!?
しかもこの男は『中国四千年』『世界一』という占いを始めるじゃありませんか。
これがステージクリアのご褒美ってことなのでしょうか?
その割には回転するドラムを止めるだけという内容なんですが。
占いじゃないじゃん。こんなので恋愛運や金運を調べろと?
『ワタシノウラナイチョウミレバクワシクカイテアルネ』
そんなもの何処にありますか?
説明書? 万里の長城の彼方?
それともトップシークレットとして北朝鮮にでも保管されてるんですか?
無事ステージをクリアしてもジェニーさんの戦いは続きます。
本作はスタートする度に最初に挑戦できるステージが変わるので、
本気でエンディングを見るつもりなら鍵を持ってる敵などを予め覚えておかなければきついです。
しかもこの各ステージの発想が凄い。
港の海賊船や、墓場はまだ理解できるとしても、
花屋のドアを潜った先が「巨大な花と虫の世界」、
ケーキ屋のドアを潜った先が「お菓子の世界」、
NASAと書かれたロケットに入った先が「宇宙空間」なんてのは、
(ジェニー、宇宙へ!)
頭のどの部分を使用しても理解不能です。
答え : メルヘンです。
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夢一杯・・・と言えば聞こえはいいですが、その実はアシッド系ドラッグの世界です。
どうして素直に着せ替えゲームとかにしなかったんでしょうか?
【ゲームなんてそんなものヨ☆】
ジェニーに抱く夢溢れるイメージを根底から破壊する、この「ノットジェニー」な世界。
よくゲームなんかに「おまえは戦うためだけに造られた人形だ」なんてセリフがありますが、
本作の彼女はまさしくそれです。
思えばこのゲームが発売されたのは1987年。
ゲームが大衆受けするあまり、
大手・中小問わず各メーカーは未だ次々にクソゲー候補作を出していた時期です。
ですが、こうまで電波とバイオレンスが豊富だと、
プレイしていく内にだんだん脳がアレな世界観に順応していき、
「実はこれがジェニーの本当の姿なんです」とか、
「実はジェニーはサイボーグなんです」とか、
「実はジェニーは『早く人間になりた〜い』と思ってるんです」なんて言われても、
納得してしまう自分に気付き激しく鬱になります。
このゲームを幼少時、リアルタイムで遊んでいた少女が気の毒でなりませんが、
我々のようなクソゲーマニアの血が流れてる少女なら、
「ジェニー、あなたはなんて恰好いいの!!」と思ったかもしれません。
もし被害者の方などいましたら是非筆者にご報告してほしいものです。
次回作なんぞが出ないで本当に良かった(『ノットワールド・オブ・バービィ』とか)と思いますが、
むしろ、この調子で自社ブランド全てを格闘人形化して
『タカラワイワイワールド』として出して欲しかった・・・と茶化しながらも、
実は平均以上本気で願う私は、
やはりこの血の宿命から逃れられないのでしょうか?
出来たらジェニーに投票してネ! クソゲー竜王戦はこっちヨ☆