| ワインを味わうように英語を上達させる |
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不
思議です。なぜ日本にはたくさんの英語学校や英語教材がでまわっているのでしょう。中・高・大では必修科目だし、TVやラジオでは英語がとびかっている
し、みんな毎日英語に浸って生活しているのに。英語の必要性、勤勉な国民性、中・高教育の欠陥などの背景があるとはいえ、年3兆円を超えるといわれる日本
の英語産業を支える消費者デマンドの存在が不思議です。
でも疑問です。1300万人を超えるといわれる日本の英語学習人口が求める英語ってそんなに難しいものなのでしょうか。詩の翻訳や同時通訳は難しい部分も
あるけれど、旅行するとき困らないレベル、商談で使えるレベルの英語ってそんなに難しいものなのか疑問です。
先日日本のあるニュースサイトで英語の表現力を向上するにはどうしたらよいかという投稿があり、私自身の経験をもとにした方法を提言しました。ここではそ
の方法について説明します。英語を学ぶ人たちの参考になれば幸いです。
まずは背景から。一般に英語の苦労話は「何を言ってるのかわからない」、「思うように言いたいことが言えない」という聞く・話すスキルの場合が多いと思い
ます。ヒアリングはある程度練習すれば向上しますが、自分の感覚や思考を表現する力というのは母国語でさえ難しい問題です。ましてや英語でニュアンスをう
まく表現する、などというのは困難なスキルに思えます。ところが学校では表現力は和文英訳の演習にとどまり、重点は文法、読み書き、続いてヒアリング、発
音に置かれています。状況によって言い方は大きく変わるのが言葉ですから、単文の直訳を重視する和文英訳では表現力を高めることにはなりません。もっと問
題なのは、挨拶は「how are
you?」、おいしいは「delicious」という風に表現をパターン化して教えてしまうことです。あたかも九九を覚えるように言葉を憶えてしまうと、
言葉に変化をもたせて気持ちを上手に伝えることはさらに困難になってしまいます。
では表現力を高めるにはどうしたらよいか。私はワインを味わうときのようにイメージがわきやすい言葉を選ぶ練習が良いと思っています。
昔から食べ物は五感で味わうもの、といわれます。視覚、嗅覚、触覚、味覚はもちろんですが、食べた時の音や作品についている名前の響きや意味も楽しむもの
といわれています。特にワインは社交上利用されることが多いせいか、味わったときの感覚を一言二言イメージのわきやすい言葉で表現しあいながら会話を楽し
む方が大勢います。ワインを飲んだときにただ「いい香り」ではなく「アプリコットなアロマ」などというように。本格的なワインの鑑賞法ではこのような言葉
選びがとても重要で、繰り返しいろいろなワインを試しながら言葉を洗練していく練習をします。色、香、味という主観的な感覚をイメージがわきやすい言葉
(名詞)に喩えて微妙な差異(ニュアンス)を他の人に伝えるのです。慣れてくると形容詞の使い方にも遊びが生まれてきて、さらに表現力が高まります。
英語の表現力を高めるために、普段の生活の中のいろいろな事象や心情をイメージがわきやすい名詞に喩えて形容する練習を毎日繰り返すのです。形容詞よりも
名詞のほうが語彙が多いし、英語に慣れていなくてもアプローチしやすいと思います。最初は日本語でもいいと思います。名詞ですからあとで辞書で英訳するの
は簡単です。とにかく感覚を言葉にすることに慣れるのです。
正しい文法やきれいな発音はそれなりに価値はあります。しかし会話を楽しむにはイメージがわきやすく、かつ意外性のある言葉を一言ぽつりというだけで効果
があるものです。日本語でもおなじでは?
当たり前のことですが、注意点としては気持ちを伝える相手のことも考える、話し言葉と書き言葉の違いに気をつける、文化の違いによって同じ言葉でも意味合
いが大きく変わる場合があることに注意する、でしょうか。
ところで、なぜ「ナイーブ」という言葉は日本と英米では意味が違うのでしょう。
Cheers,
井坂暁
sisaka@visiondelmar.com